脊柱管狭窄症とは?原因と症状を徹底解説:腰の痛みや足のしびれ、坐骨神経痛、間欠性跛行でお悩みの方へ
2025年06月17日

「少し歩くと腰や足が痛くなって、立ち止まって休んでしまう」「お尻から足にかけて電気が走るようにしびれる」「長く立っていると腰が重だるくなる」
もしあなたがこのような症状でお悩みなら、それはもしかしたら脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)かもしれません。今回は、多くの方を悩ませる脊柱管狭窄症について、その原因から具体的な症状までを徹底的に解説します。
脊柱管狭窄症とは?
私たちの背骨の中には、「脊柱管」と呼ばれるトンネルのような空間があります。この脊柱管の中には、脳から続く「脊髄(せきずい)」と呼ばれる神経の束が通っており、そこから枝分かれした神経が手足や体の各部に伸びています。
脊柱管狭窄症とは、何らかの原因によってこの脊柱管が狭くなり、中に通っている脊髄やそこから枝分かれする神経が圧迫されることで、さまざまな症状が引き起こされる病気です。
脊柱管狭窄症の主な原因
脊柱管が狭くなる原因はいくつかありますが、最も多いのは加齢に伴う変化です。
- 加齢による骨や靭帯の変性: 年齢を重ねると、背骨を構成する骨(椎骨)や、骨と骨をつなぐ椎間板、そして脊柱管の周りにある靭帯(黄色靭帯など)が変性し、厚くなったり、骨棘(こつきょく:骨のトゲ)が形成されたりすることがあります。これらが脊柱管の内側に出っ張ることで、脊柱管が狭くなります。
- 椎間板ヘルニア: 椎間板が飛び出して神経を圧迫することも原因となりますが、高齢者の場合は変性による脊柱管の狭窄が主です。
- 脊椎すべり症: 椎骨がずれてしまう病気で、これも脊柱管を狭くする原因となります。
- 生まれつき脊柱管が狭い(発達性脊柱管狭窄症): もともと脊柱管が狭い方もいらっしゃいます。
脊柱管狭窄症の典型的な症状を徹底解説
脊柱管狭窄症の症状は多岐にわたりますが、特に特徴的なのは以下の4つです。
1. 腰の痛み(腰痛)
脊柱管狭窄症では、腰の中心部や臀部にかけて、鈍い痛みや重だるさを感じることが多いです。特に、長時間立っていたり、歩いたりすると痛みが増強する傾向があります。安静にしていると楽になるのが特徴です。
2. 足のしびれ
神経が圧迫されることで、お尻から太もも、ふくらはぎ、足の裏にかけて、「ジンジン」「ピリピリ」といったしびれが現れます。左右どちらか一方に出ることもあれば、両方に出ることもあります。しびれの範囲や強さは、圧迫されている神経の部位や程度によって異なります。
3. 坐骨神経痛
坐骨神経痛は、お尻から足にかけて伸びる「坐骨神経」が圧迫されることで生じる痛みやしびれの総称です。脊柱管狭窄症では、この坐骨神経が圧迫されることが多いため、電気が走るような鋭い痛みや、焼けるような感覚を伴うことがあります。しびれと痛みが同時に現れることも珍しくありません。
4. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)
脊柱管狭窄症の最も特徴的な症状の一つが「間欠性跛行」です。これは、**「少し歩くと腰や足に痛みやしびれが生じて歩けなくなり、前かがみになって休むと症状が和らぎ、また歩けるようになる」**という症状です。
- なぜ起こるのか? 脊柱管が狭くなっているため、歩行時に足の筋肉を使うと、神経への血流が一時的に不足したり、神経が圧迫されたりして痛みやしびれが生じます。前かがみになったり、座ったりすることで、脊柱管が広がり、神経への圧迫が軽減されるため、症状が改善します。
- こんな状況に注意!
- スーパーでカートを押しながらだと長く歩ける。
- 自転車に乗る分には平気。 これらは、前かがみになることで脊柱管が広がり、症状が出にくい典型的な例です。
脊柱管狭窄症かな?と思ったら
上記のような症状に心当たりがある場合、脊柱管狭窄症の可能性があります。自己判断せずに、まずは整形外科を受診しましょう。
正確な診断のためには、問診や診察に加えて、X線検査(レントゲン)、MRI検査などが行われます。特にMRI検査は、脊柱管の状態や神経の圧迫の程度を詳しく確認できるため、診断に非常に有効です。
まとめ
脊柱管狭窄症は、加齢とともに多くの方が経験しうる病気です。腰の痛み、足のしびれ、坐骨神経痛、そして特に間欠性跛行といった特徴的な症状を理解しておくことで、早期の発見と適切な治療につながります。
「歳だから仕方ない」と諦めずに、専門医に相談し、ご自身に合った治療法を見つけることが、快適な日常生活を取り戻すための第一歩です。この情報が、脊柱管狭窄症でお悩みの方の一助となれば幸いです。